全て”すき…”から始まった…。

 そんな中、優美が、亮の方に歩きかけた。

浩太が、急いで、優美の手を引っ張った。

「優美、やめろ!これは…これは、

当人同士の問題だから…。」


 「だって、浩太、私は、カオリの事思うと…

 我慢できないよ!」


 「優美…ありがとう…私、自分で行くから。」


 「カオリ…。」


 「どんな事も、出来るだけ、向き合った方が、

 いいですからね…。」


 そう言った、篤司の眼鏡の奥の目は、

真剣で、悲しい目をしていた。


 「篤司!どっちの味方なのよ!!!」

優美が、怒鳴った。



 「僕は、どちらの味方でもありません。

 あるがままの事実を、受け入れるしか

 ないでしょう。」


 そう言って篤司は、青空の方を眺めた。




 カオリは、歩きだしていた。
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