全て”すき…”から始まった…。
亮とカオリの新しい生活、
結婚生活が始まった。
カオリにとっては、ずっと夢みてた亮との
結婚生活だった。
最初は、新居の家具を見にいったり、
生活のこまごまとした物を、
二人で選ぶのが、とても楽しかった。
一緒にいるだけで、気持ちが、満たされていた。
ただ、だんだんカオリは、亮が時々見せる、
深刻な表情に、気が付くようになった。
カオリは、片親で育ったとはいえ、
経済的には、余裕のある家庭で育った女の子だ。
それに、その年齢で、いきなり経済感覚など
あるはずなかった。
亮だって、今まで、親元で、暮らしてきて、
結婚して、初めて、生活の大変さが、
身に染みてきていた。
月末になると、お金は、足りなくなる事も
よくあり、カオリに内緒で、亮は、
友達とかに、借金をするようになっていた。
カオリに相談すればいいのに、なかなか言い出せずに
いた。
そんな状態が、一年位続いていた。
カオリだけ、自分の家庭が、火の車だとは、
気付いてなかった。
大好きな亮に嫌われないように、おしゃれとか、
掃除とか、料理に力を入れていた。
支払いも、亮が、管理していた為、余計
今の生活の状態が、わかってなかった。