全て”すき…”から始まった…。

 「お金は…パパから…お小遣い貰って…。」


 「あのね、プレゼントなんて、買わなくていいから。」


 「…だって…。」


 「あのね、俺の給料、少ないから、

 そんな事しなくていいんだよ。カオリは、裕福に

 育ったかもしれないけど、今の二人の

 生活は、ぎりぎりなんだよ。だから…

 余計な事するなよ!!!」


亮は、生活というものに、追い込まれて

いた。

そのイライラをカオリに初めて、

ぶつけたのだ。


カオリは、”余計な事するなよ!”という

亮の言葉を聞き、外に飛び出してしまった。

かなり、ショックだったのだ…。

亮が、喜んでくれる顔を、楽しみに待っていたのに、

結果は、ぜんぜん違った…。

カオリは、泣きながら、歩いていた。

アスファルトをじっと見ながら、ただ

歩いていた。

 カオリの足が、一瞬止まった、アスファルトの

ひびの入った所から、タンポポが咲いていた。

狭い隙間に頑張って咲いてるように、カオリには、

見えた。

タンポポの強さが欲しい…カオリは、

そう思った。

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