全て”すき…”から始まった…。
 「で、浩太と付き合う事になったの?」

 「無理無理、そんな事、言えない!」

 「なんで?好きなんでしょ?告白しちゃえ!」

私は、笑いながら優美にそう言ってみた。

なぜか、優美は、ふくれっ面をしている。

私を攻撃する前の顔。私の好きな顔だ。


 「カオリに言われたくない!3年間ずっと片思いで、

 初めてメールが来て、それだけでもかなりやばい状態

 なのに、告白なんて、心臓、気絶しちゃう!

 カオリは、誰かをすご~く好きになったりした事

 ないから、わからないんだよ!」

うん、確かに、わからないかも?…。

それより、心臓が気絶するなんて、な~んか変な言い方。

優美は、そんなやわじゃない。


 「でも、いいじゃん、高校も同じだから。」

 「えっ!?同じ高校?」

 「えっ?優美、知らないの?」

 「なんで、カオリ知ってるの!」

 「なんでって、なんでだろう?」

 優美は、浩太と同じ高校という事を

知らなかったらしい。3年片思いしてた割には、

どこか、ぬけてる。

挙句の果てに、私が、浩太に気があるのでは?

と疑ってくる。そんなのありえないし。

席が近くて、話しは、よくしたけど、

そういう対象ではない。

 人を好きになる気持ち…。

なんで、私には、好きな人ができないのだろう?

初めて、そんな疑問を持った。

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