全て”すき…”から始まった…。
 「お久しぶりです。すみません、呼び出して

 しまって…。」

 篤司は、そう言って、まず頭を下げた。


 「いえ。」

 亮は、そう言って、席に座った。


 短い沈黙が、流れた…。


 「あの、亜美さんの事なんです。

 …亮さんが、父親なんですよね、知ってますよね?」


 篤司は、ストレートにそう聞いた。


 「…亜美が、そう言ったの?」



 「…?亜美さんは、父親が誰かだけは、

 教えてくれません…。でも、僕は、

 亮さんだと、思っているんです。」



 「…もし、そうだとしたら???」


 「…亮さんは、このままにして置く

 つもりなんですか?いつ、知ったんですか?」



 「なんで、君に話さなければ、いけないの?

 少し、お節介なんじゃない?」



 「僕は、亜美さんの事が、好きだから…。

 亜美さんがよければ、結婚したいと思っています。」


 「ふ~ん、そう、いつから知ってたの?

 亜美が、妊娠したって事?」


 「妊娠5ヶ月目位です。」


 「俺は…最近、聞いたんだ…。子供を

 産んだって…誰の子か、おちゃらけて、

 言わないんだ…本当に、俺の子か?…」
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