全て”すき…”から始まった…。

 「瑠璃、泣かないで。」

 そう言って、亜美は、赤ちゃんを抱っこした。

名前は、瑠璃と言うらしい。

亜美に抱っこされると、赤ちゃんは、泣きやみ、

眠ってしまった。

亜美は、眠った事を、確認してから、

赤ちゃんを、ベッドに寝かせに行った。

亮は、静かに、その光景を見ていた。


亜美は、亮の前に来て、深呼吸をした。


 「なんで?なんで、亮兄は、肝心なところが、

 決められないの!そんなんだから、

 そんなんだから、周りがみんな傷つくじゃん!!

 亜美も傷ついたし……カオリさんだって…

 なんで、みんなに優しくするの!

 優しくされたら、期待するじゃん!結局

 自分で、自分のした事、ほったらかしじゃん!」

亜美は、今まで、たまっていた事を、吐き出した。


 「…うん、悪かった…ほったらかして、

 悪かった…。俺の子なんだね?」


 「そうだよ、亮兄の子だよ…。でも、もう、

 亮兄は、いらない!!!この子が居るからいい!

 もう、目が覚めたの…亮兄を好きだった自分は、

 あれは、錯覚だったの、たまたま、隣のお兄ちゃんが、

 かっこよくて、優しくて、エッチの相手もしてくれて、

 だから、錯覚したの、この人は、運命の人だって。

 でも、違ったみたい、ただの、優柔不断な

 女好きな男だった、だから、もう、いい。

 もう、いらないから、帰って!!!」


 亜美は、そう言って、亮を外に追い出した。

 亮は、呆然と立っていた。


 亜美は、そう言った後、

 部屋の中で、泣いていた。





 
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