days
電車を降りて、病院までの道を歩く。
あたしの、職場。
我ながら、どでかい病院。
これも、5年たってもいまだに恐縮する。
梅雨明けの、やけに強い日射しを浴びながら、社員用入口に回る。
「……陽菜さん、おはよう」
「おはよう」
話しかけてきたのは、同じ歯科で働いてる、アキちゃん。
アキちゃんは、あたしより年下なんだけど、衛生士の資格を持っている。
あたしは、資格なんて何も持っていないから、5年たった今も、歯科助手の身分。