days



・。゚:゚.・゚::・。゚.・.゚::・゚。・゚:・



「陽菜、今日ちょっと機嫌悪い?」

       ユカ
バレー部の、友香から尋ねられる。



「ちっがうよ、ゆかちん。陽菜は、恋煩いだよ~~ん」

冷やかすように、ミサキに言われる。



ゆかちんは、おっとりして優しい、同級生。

バレー部の中でも、わりとおとなしい子だった。



「いよいよ来週から、ヤヨとお付き合いが始まるからね」


「……ちょっと。まだわかんないじゃん。結果次第だって」



あたしとミサキのやり取りを、ゆかちんは笑って見ていた。



「ヤヨって、屋良くんだよね?結果って13日の大会?すごいね、陽菜も、ついに彼氏持ちかあ」



やけに詳しいな、とは思いつつ、あたしは否定する。



「だからね、まだわかんないんだって」



だって約束は、屋良くんが大会で自己ベストを出せたら付き合うってことだから。



「大丈夫よ。屋良くん、最近、練習頑張ってるって。それに調子もすごく良いって言ってたよ」



どうしてそんなことを知っていたのか。

誰にそんなこと聞いたのか。



・。゚:゚.・゚::・。゚.・.゚::・゚。・゚:・



あの時、ちゃんと聞いてればよかった。

ちゃんと聞いてれば、あたしは間違った道に行くことはなかったのかもしれない。






< 30 / 101 >

この作品をシェア

pagetop