days
「誕生日のことなんだけど、プレゼント、やっぱりいらない。その代わり、これからも一緒に帰って?」
屋良くんは、返事の変わりに、あたしの頭をぽんぽん、と撫でた。
「……陽菜って呼んでいい?」
「うん」
「……陽菜」
「はい」
はじめてできた彼氏に、はじめて下の名前で呼ばれた、14才の誕生日。
教室に戻ったあたしには、たくさんの人からの、おめでとうが待っていた。
誕生日と、屋良くんとのこと。
このこそばゆさには、慣れないけど、悪くはない気がした。