days
相変わらず、綺麗な顔立ちのその男は、学校指定ではない、ジャージを着て、そこに立っていた。
「……部活ですか?立川陽菜」
「なんで、フルネーム?」
「じゃあ、陽菜」
「そ……そんな、急に…勝手に……下の名前っ……」
「しーっ。職員室では、静かに」
人差し指を口に当てるポーズで彼は言う。
「崎島 瞬は、なんでいるの?」
「シュンでいいよ。みんなそう呼んでる」
「……シュン、くん、は、なんで職員室にいるの?」
「先生が、職員会議で」
たぶん、あたし達と同じで、練習メニューを取りに来たのだろう。
よく見ると、ファイルのようなものを抱えている。
「ヤヨと、付き合ったんだって?」
挑発的な口調で、シュン君は言った。
「別に。シュン君には関係ないでしょ。じゃあね、あたし、急いでるから」
シュン君に、くるりと背を向けて、来た道を早歩きで帰る。