days
「陽菜はきっと、頭であれこれ考えすぎなんだよな。クールだからね、陽菜ちゃんは」
からかうようなその口調は、ずしん、とあたしの心に届く。
「……バカにしてない?」
「してませんよ?」
その笑顔と、独特の口調。
シュン君と話すと、すぐに彼のペースになる。
「……あ、違った」
思い出したように、シュン君があたしの隣に座る。
「……なによ」
次は何を言われるのかと思わず身構えて、シュン君をじろりと睨む。
「クールなんかじゃないね、陽菜は。怒りっぽくて、意外と泣き虫」
「……泣き虫じゃないし。それに、いつ、あたしが怒ったっていうのよ」
身構えていたのも無駄だったみたいだ。
慌ててそう返す。
「今。そんな警戒しなくてもってくらい、怖い口調だよ」
「……そ……そんな……」
「あと、グラウンドで。泣いてたでしょ?ほら、俺が走ってるとき」
「……見てたの?盗撮だよ、それ」
「バカ。たまたま見えただけだし。撮ってないし。バカだな、陽菜は」
人のことをバカ、と言ったシュン君は、大口を開けてあはは、と笑っている。
「……ちょっと。何よ。いいじゃん。そこまで笑わなくても!」
黙って、の意味を込めて、隣に座っているシュン君の肩を、ぱしっとはたく。
「……いてーな、暴力女」
「そんなに力、入れてないもん」