days



練習が終わってから、着替えを済ませて体育館を出る。



「……サプライズ……サプライズ……」

ぶつぶつ呟きながら、校内を歩く。



「……そうだ」

屋良くんの目線になって、考えてみよう。



そう思って、進路変更。

グラウンドに向かった。



グラウンドの隅にちょこんと腰掛けてみる。



夏本番の、強い日射しが直に当たる。



屋良くんは、こんな中で、毎日走ってるんだな……

暑いのに……

辛くないのかな?



……シュン君は……こんな暑い中でも、あんなに綺麗に走るのかな……



……やめよ、やめよ。

なんでここでシュン君が出てくるんだろう……



頭の中に色んな考えが駆け巡った。



「……うわ。なんでいるの。陽菜、まさか、俺のストーカー?」



声の主は、もう顔を見なくてもわかる。

……本物だ。



さっきまで頭の中にいた人が、あたしの背後に立っていた。



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