days
「幸太郎の、お母さんです!よろしくねっ」
「よろしく…お願いします……」
明るい所も、にっこりと微笑んだその顔も、なんとなく屋良くんに似ている。
「陽菜ちゃんって、幸太郎に聞いたとおりだったわ」
「聞いたとおり……?」
あたしの様子に構わず、話を続けるところも、まるで屋良くんそのものだ。
「クールビューティーだって。ふふふっ」
ク…クールビューティー…
なんだそれ、という意味を込めて屋良くんのお母さんの目を見つめる。
「幸太郎ね、本当は走るのだって遅かったのよ」
「えっ……?」
あたしが知っているのは、練習のたびに自己記録を更新しちゃうような屋良くん。
次の大会では、優勝争いもできるほどの記録だって聞いた。
「陽菜ちゃんが、笑ってくれるからって」
(あたし……?)
「クールビューティーな陽菜ちゃんが、時々、幸太郎のために笑ってくれるからって」
あたしが笑ってくれるから……?