別れた二人
二人を呆然と見つめていたら突然視界が大きな手で塞がれた。
「・・・あおい、おせぇ~し。職員室行くのにどんだけ時間かかってんだよ・・」
「な、永倉州・・・」
「ほら、さっさと置いてこようぜ♪」
永倉州はそう言うと、あたしの右手をガッと掴み、引っ張るようにそのまま康太と佐藤里香のほうにずんずん進んだ。
・・え・・・ちょ・・ちょっと・・・??
あたしは永倉州の手を振りほどこうとしたけど、ソレは許される事はなく。
更にギュっと強い力で握られた。
康太と佐藤里香があたしの存在に気付く・・・
佐藤里香は康太の腕に自分の腕を絡ませてあたしを上目遣いで睨み、
康太は永倉州と繋がれた手に一瞬視線をやって、あたしの顔を見た。
あたしは・・・その佐藤里香の絡む腕が許せなくて・・・視線を永倉州の背中に向ける。
永倉州は、康太と擦れ違う時にボソっと言った・・・
「あんた、受験に集中してたんじゃなかったんだ??」
康太はバツが悪そうな顔をして、俯いた。