別れた二人
永倉州の元カノは、大学生風のかっこいい男の人と手を繋ぎ、寄り添うように歩いていた。
短いスカート、ヒールの高いパンプス、学校とは違うちょっと濃い目のお化粧・・・
綺麗な巻き髪・・・
・・受験に集中・・じゃなかったんだ・・・
あたしは、その元カノの笑顔が許せなくて・・・
永倉州の気持ちを思うと許せなくて・・・
気がつけば、その元カノの元に走っていた。
「あ・・あの!!」
あたしのその声に元カノとその彼氏は振り返る。
元カノはあたしの存在を知っているんだろう。
「あ・・!州の・・・」
そう言って、一歩下がる。
「・・受験が理由で別れたんじゃないんですか?!」
「へ・・?あ・・あぁ・・あなたには関係ないよね?」
クスっと笑って、そう言うと彼氏を引っ張るようにして、あたしから離れた。
悔しい・・・なんか・・・悔しい・・・
永倉州が気の毒で・・・
永倉州・・・あんな彼女と別れて正解だったよ?