別れた二人
「なぁ、あおい」
海を見つめたまま黙っていた永倉州が口を開く。
「なに??」
「今日、楽しかったな♪」
「うん♪そうだね!」
「・・いきなりキスしちゃってごめんな・・・元彼との思い出を消す・・なんて言ったけど、良く考えたらあおいから元彼の思い出を消す権利なんて俺にはないのにサァ・・
あんな事しちゃって・・・」
「・・え・・・?」
キスしたこと・・後悔してるってこと??
「俺・・元カノとよくここに来たんだよね。なんか、あおいに元カノの姿被せちゃってた事が何回かあった・・・」
「・・・・・・」
「・・ごめんな。なんか・・・あおい、綺麗だし性格可愛いしさ、俺と擬似カップルしなかったら、今頃普通に男に告られたり、もしかしたら新しい恋愛してたかもしんないのにな・・・俺がアホな提案したばっかりに・・・」