別れた二人
「・・ん??」
永倉州は、優しい笑顔であたしを見た。
この笑顔を・・あたしだけに向けたい・・・
そう思ったら、勝手に口から出てしまった。
「永倉州の元カノ・・・彼氏いるんだよ??」
永倉州の顔がだんだんと強張っていく・・・
「は?何言ってんの?アイツ、受験勉強で忙しくなるからって、俺に別れ話してきたんだぜ??」
「・・・でも・・・いるんだもん。彼氏・・・受験って理由は嘘だったんだよ・・・」
「は?てか、なんであおいがそんなこと知ってるんだ?」
「・・昨日見たの。男の人とくっついて歩いてる所・・・永倉州、別れてよかったんだよ・・」
あたしがそう言うと、永倉州はガバっと立ち上がり、あたしを見下ろして言った。
「なんで、お前にそんなことまで言われなきゃいけない?勘違いすんなよ?俺とお前は擬似カップルなだけ。本当の彼氏彼女じゃないんだから・・・
悪いけど、今日でもうこの関係終わりな?んじゃぁ、俺帰るから・・・」