別れた二人
教室に入るのが・・・こわい。
擬似カップルだったとはいえ、みんなはマジカップルだと思ってるから
何度席替えをしても隣にしてくれてたし・・・
なんて声を掛けようか・・・
それとも・・・無視されちゃう??
あたしはふぅ・・・と息を吐いて、教室の後ろのドアをそっと開けた。
「お!あおい、おっはよ~♪今日遅いじゃん!!どしたの?」
由貴がいつものように声を掛けて近付いてくる。
あたしの真横に来ると、
「・・・で?昨日の初デートはどうだったの?!?!あんな事こんな事しちゃったりなんかして??」
ボソボソっと、ニヤニヤしながらあたしに聞いてきた。
由貴の話を聞きながら、自分の席の隣に視線をやった。
・・・あ・・・だめだ・・・。
いつものように朝っぱらから机に突っ伏してる後姿を見た途端、涙が出てきた。
「ちょっ・・!!ちょっとあおい?!?!なに?!?!どした?!?!」
由貴はそんなあたしに驚いて、隣でアタフタしだす。
あたしは、両手で顔を覆って止まらない涙を隠すだけだった。