別れた二人
その後、あたしは由貴に連れられて女子更衣室にいた。
「うぅっ・・あたし・・・あたし・・・永倉州が・・・うぅ・・・」
「・・・わかったわかった・・・とりあえず泣き止もう・・・話はゆっくり聞くから・・」
由貴はあたしの背中をさすりながらそう言った。
しばらくして、あたしの涙は枯れてしまい、意外と冷静に由貴に事の全てを話す事が出来た。
「・・・そっか。永倉州の元カノがねぇ・・・おまけにあおいが永倉州をねぇ・・・
そしてふられるとはねぇ・・・」
「・・・うん。なんか・・・展開早すぎて頭がついていかないって言うか・・・」
「うーーーん。まぁ・・・でも・・・現実は現実だからねぇ・・・今は辛いだろうけど、時間が経つのを待つしかないかもね。永倉州は・・・まだ元カノのことを忘れられてないんだし・・・」
「・・・そうだよね・・・。はぁ・・なんか、めちゃ切ないっっ!!!」
「大丈夫!!!あおいならいい男がわんさか寄ってくるって!!そして、その何人かをあたしに分けて♪」
由貴のその言葉にあたしは思わず吹き出した。
「だね♪イッチョ、女磨きでも頑張るかっっ!!」
心の中はまだ永倉州でいっぱいだったけど、あたしはわざと明るく言った。