別れた二人
教室に入り、顔を伏せながら自分の席に着く。
今日は誰にも顔を見られたくない・・・
そう思いながら机に突っ伏していると、
「昨日はド派手に叫んでたな・・・改札で・・・」
隣からからかう様な、馬鹿にする様な感じで話しかけられる。
「み、見てたの?!?!」
ガバッと起き上がって隣の席の永倉州を睨む。
「ップ!!ひっでぇ顔!!顔浮腫みすぎだし!!」
「う、うるさい!!っで、見てたの?って聞いてるじゃん!!」
「別れたくないよ!!あたし、康太の勉強邪魔しないし・・・それに受験終わるまで会う回数減らすから!!絶対迷惑掛けないから!!別れるなんて言わないで・・・だったっけ??」
「・・・・・・」
・・・コイツ最低だ・・・
あたしはまた無言で机に突っ伏す。
「まぁ、アレだ。男なんて星の数ほどいるんだし♪木藤みたいに綺麗だったらこれからいい男いっぱい現れるって♪そう、落ち込むなよ??」
永倉州はそう言って、あたしの頭をポンポンとした。
いい奴じゃん・・・永倉州・・・ただのイケメンじゃなかったんだ?
「・・・アリガト・・・」
「まぁ、俺は彼女と超ラブラブだけどぉ♪」
前言撤回・・・
「・・・別れちゃえ・・・」
「ゲッ!!自分の不幸を人に連鎖させるなよ?!って、俺んトコは絶対別れないし♪」
ニッコリ微笑みながら言う永倉州にとてもむかついた。