Change(仮)
教室に入ると、目の前に親友の遥が…
「おはよー」
「ん、おはよぉ…」
「いーちゃん、眠そーっ」
ケラケラと笑いながら、話しかけてくる遥こと中川 遥(ナカガワ ハル)は、私のことを“いーちゃん”と呼ぶ。
何でか知らないけど、嫌な思いはしないから別にいい。
「でさぁ、気になってたんだけど…」
「へ?」
「あんたの彼氏、急に教室に駆け込んで来るなり、机に突っ伏してんだけど。」
「うん。気付いてたよ、若干。」
「何かしたの?」
「手、繋ぎたかったから。」
「…から?」
「繋ごうとしたら、逃げられた。」
「…あははっ!まじで?」
いやいや、遥…。
この程度の嘘ならつかないって…。