青空
救急車で私と父は病院へ運ばれた。
私はすり傷ですんだ。
だが、父は即死だった。
私をかばったのだろう。と医師は言った。
母は父のおでこにキスをした。
「美羽を守ってくれてありがとう。」
泣きながら何度も何度も母は父にお礼を言っていた。
私はその場に立ちすくんでいた。
目の前の死が信じられなかったのだ。
「お父さん、お父さん…なんで?なんで私なんかを助けたの?なんで私じゃないの?なんで…なんで?」
私は泣きながらお父さんの冷たい手をずっと握っていた。
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