そして僕は恋に墜ちた
『そいつを、どうするつもりだ?』

大悪魔の問いに、アリスはゆっくりと僕の顔を見る。


「…私が育てるわ」

僕に、ふっと笑いかけながら、アリスは口をひらいた。

「シロが、赤ちゃんになるくらいの力を奪ってしまったんだもの。暫くは生きられる筈よ」

そう言って、子供を寝かしつける母親の様に僕を揺らす。

『無理だな』

「無理じゃないわ」

『いくらそいつが、赤子に戻ったからといっても、お前にしてみたら大した力じゃ無い筈だろう』


大悪魔の言葉に、アリスの腕に無意識に力が入った。

「だけど、シロがこんなになったのは私のせいだもの!!」



頑として譲らないアリスに、大悪魔は溜め息をついた。



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