そして僕は恋に墜ちた
17.
僕の内心などそっちのけで、アリスと大悪魔が僕の頭上で会話をする。

赤子というのは、相手の言葉を意識して聞かないと、耳には入って来ないものなんだな。

おかげで僕は、二人の声を耳から追い出す事が容易にできた。


それどころか、微かに聞こえる大悪魔の低音と、アリスのゆっくりと動く心臓が、心地よい子守歌の様になり

不覚にも僕は、アリスの腕の中で、夢と現実の間を、ゆらゆらと彷徨いだしていた。


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