そして僕は恋に墜ちた
「やめて!シロを殺さないでっ!!」

叫ぶ様なアリスの声が耳に突き刺さる。


(僕は、死ぬの?)


頭上で交わされていた会話は、僕を始末する事に対してだったのだろうか。

だとしたら、ちゃんと聞いておけばよかった。



大悪魔は、相変わらず冷たい目をしたまま、僕の首を一気に絞め上げ

僕の中を流れる血液がパニックを起こした。


―悪魔は死なない。


以前、大悪魔に首を絞められた時に言われた(あの時は、力を貰ったのだけど)言葉は、嘘だったんだ。

現に、アリスは僕の命を助けようと、必死じゃないか。

だけど大悪魔は、利用価値の無い僕なんて、必要としていない。



大悪魔の指が首に食い込み、頭が爆発しそうだ。


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