そして僕は恋に墜ちた
僕は、大悪魔の手によって、高々と持ち上げられていた。

僕の首を絞める手を辿って行くと、冷たい目で僕を見上げる大悪魔が見える。

そして、僕を取り返そうと、必死に腕に絡み付くアリスを振り払い

勢いでよろけたアリスの首をも掴むと、目に冷たい光を宿したまま、僕と同じ様に高く持ち上げた。





…何故アリスまで?

僕が、アリスを仲間に出来なかったから?


悪魔になれなかったアリスはもう、要らないという事なのだろうか。

結果的に僕は
アリスの死期を早めてしまったんだろうか。



血液の回らない頭で、アリスを助けられない自分を嘲笑う。

だけど同時に、ふたりで死ぬのなら本望だ、という思いも、頭の片隅に存在していた。



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