そして僕は恋に墜ちた
アリスはもう、死んでしまったのだろうか…


ふと、そんな思いが過ぎる。

最初、僕の目の端で揺れていた白い影も、もう動く気配は無い。


元天使だと言っても、今は不完全な人間なんだし、とっくに息絶えただろう。

ひょっとしたら、川の向こう側で待ちくたびれてるかもしれないな。





そんな事を考えながら、僕は本当に死ねるのか、不安を覚え始めた頃、何の前触れも無く僕は宙へと放り出された。


後頭部と床がものすごい音を立てて接触する。


『……っ!!!』


あまりの衝撃と、突然体内に入って来た空気にパニックを起こしていると

間髪を入れずに、僕に向かって飛んで来ていた何かが、腹に直撃した。


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