そして僕は恋に墜ちた
「そうかい?でも無理はいけないよ?原因はまだ分からないが、君の体は…」

「シロが治してくれたの」


ゆっくりと話す医師の言葉を遮り、呟く様にアリスは言った。

アリスの口から僕の名前が出て途端、僕の体は反応し、頭で考える前に病室へと飛び込む。


アリスは記憶を無くしてなんかいない。

アリスは今も僕の事を覚えているんだ!


ずっと病室に居たのに、なんだか感動の再開の様な気持ちで、僕はアリスにゆっくりと近付いた。

なんだか宙を歩いている様な、不思議な気分だ。



「治した?どういう事だい?」

僕の存在など知らない医師は、不思議そうな顔でアリスに聞いた。


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