そして僕は恋に墜ちた
19.
格子の付いた、小さな窓。
そこから入る月明り。
小さなテーブルと椅子。
寝返りをうつ度に、ギシギシと鳴くベッド。
好きに生きろと言われたくせに、結局僕の居場所はここなんだと思った。
ここは、僕の城。
全てがアリスに出会う前と変わらないし、この先何百年経っても変わらないだろう。
ただここに
大悪魔の姿がない事だけを除いては。