そして僕は恋に墜ちた
アリスとの別れから後、僕は当たり前の様にこの部屋に戻った。

アリスとの別れも辛かったが、それ以上に僕の頭を支配していたのは大悪魔だった。

一方的ではあったけれど、アリスには別れを言う時間があった。

だけど、大悪魔が消えるなんて、予想すらしていなかった出来事に、僕は現実を受け入れる事を拒んだ。



ベットに横になり、月を眺める。

そのまま少しまどろんで、目が覚めると大悪魔の気配を探す。

何日も何日もその繰り返しだ。


仕事もしない代わりに、体力も徐々に減って行く。

そろそろ仕事をしないと、僕はここから動く事すら出来なくなってしまう。

いざとなった時、力を分け与えてくれる存在はもう無いのに…


頭では分かっていても、この部屋から出る気にはなれなかった。


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