そして僕は恋に墜ちた
僕はゆっくりと振り返る。

僕の勝手な幻聴?


だが、さっきまで僕が寝ていたベッドに足を組み、いつもどおり何かを企んでいる様な顔をした大悪魔が座っていた。


『このような狭く固いベッドで、よく寝られたものだな』

『…大悪魔!?』


信じられない。

あれ程気配を探っても見つけられなかった大悪魔が、僕の部屋に当たり前の様に居る。

『どうして…?だって、気配が…えっと…』

『気配なんてものは簡単に消せるだろう。お前、一度赤子になったせいで言葉が下手になったか?』


そういって、意地悪く笑う。


間違ない。

それは紛れも無く、大悪魔だった。


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