そして僕は恋に墜ちた
『その、悪魔は手が早いっていうイメージはどこから来たのさ』

「だって…吸血鬼なんて女の人の首から生き血を吸うのよ。しかも、首筋にキスしてると見せかけて!

そういう事が出来るって事は、相手と親密になってる証拠だわ。しかも短時間の間に!」

アリスは僕の質問に、当たり前の様な顔で熱弁する。

『…僕は、吸血鬼では無いんだけど?』

「似た様なものデショ?」

どうだろう。

確かに悪魔になる時、血の儀式は交わしたが、それは儀式であって、生きる為に血を吸った訳では無い。

共通するのは、強いて言えば、人間では無い事くらいだろう。

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