そして僕は恋に墜ちた
「でも、羽根っ子相手なら、血吸われても良いかも」

『何?人を蚊みたいに…』

「だって私、羽根っ子の事好きだもの」

『は?』

アリスの、会話の流れを完全に無視した言葉に、僕は耳を疑う。

好き?

僕の事が?

「そうだよ。知らなかった?」

そう言いながら、アリスは人懐っこい顔を僕に向けた。

「ねぇ、羽根っ子は、私の事好き?」

『…僕は人間なんて好きにならないよ』

「えーっ!なんでよぅ」

『というより、誰も好きにならないかな』

テンションの高いアリスとは対照的に、僕は淡々と話した。


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