そして僕は恋に墜ちた
大悪魔の一言に、僕は耳を疑った。

―僕がアリスの事を?

『ははっ!!何だ、その顔はっ!』

アリスの名前を耳にした僕の顔が、余程おかしかったのか、大悪魔は大口を開けて笑う。

そんな事、ある訳が無い。たかが人間に、この僕が心を奪われるなんて。

あるわけが無いのだ。


『まさか。そんなわけ無いですよ』

大悪魔の、的外れな言葉に、何となく心に余裕が出た気がして、僕は笑顔で答えた。

『ふん、いいだろう』

大悪魔は、そんな僕の態度を見ても尚、含み笑いで僕を見ている。

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