そして僕は恋に墜ちた
部屋に戻ってからも、頭の中に、大悪魔の言葉がこだましていた。


『あの娘を、私達の仲間に』



あの一言を聞いた瞬間、鈍器で頭を殴られたかと思った。

いや、いっその事殴って欲しかった。

そのまま気を失って、目覚めた時には、大悪魔の言葉もアリスの事も、全部忘れていられたらよかった。



『…アリス』

ぽつりとアリスの名前を呟くと、体中の血がざわついた。

この感覚が、何を意味するのかは分からないけど…

僕がこの手で?

アリスを、悪魔に?


天使の様なアリスの笑顔が、一瞬頭の中に浮かび、そして消えた。

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