そして僕は恋に墜ちた
「あ!シロ!!」

僕が声を掛けるより早く、アリスは僕を見つけて大声で叫んだ。

「随分見掛けなかったけど、お仕事が大変?」

…お仕事。

アリスの言葉に、一瞬大悪魔のにやけた顔が浮かんだ。
大悪魔は、アリスを仲間にしようとしている。

理由は何だ?
ただの気紛れか?

大悪魔の気紛れで、アリスを僕の世界に引き込まなければならないのか?

「シロ!どうかしたの?」

反応の無い僕に、アリスは問い掛けながら僕の顔を覗き込む。
それでも反応を示さない僕を見て、つまらなさそうな顔で唇を尖らせた。

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