そして僕は恋に墜ちた
それに、アリスにとって僕の話は、単なるたとえ話にすぎない。

まさか大悪魔が、アリスを悪魔にしようと目論んでいるとは、そして隣りに座るこの僕が、大悪魔にその『仕事』を任されているなんて…

(アリスは想像すらしないだろうな)

何も知らないアリスに、こんな質問をするなんて、僕はどうかしてる。

そう、どうかしてるんだ。


だからアリスの事を考えただけで、説明の出来ないおかしな感覚に襲われる。

アリスは、人間。

そして僕は、悪魔。

それは、変え様のない事実なのに。



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