そして僕は恋に墜ちた
『違う違う、こっち』

僕が笑いながら、もう一度声をかけると、少年はやっと顔を僕へと向けた。

「…僕を、迎えに来たの?」

『さぁ…ね?』

僕がフェンスから、ふわりと飛ぶと、少年は一瞬落ちて来るボールを受け止めるかの様に手を差し出したが、重力に逆らいながら屋上に降りる僕を見て、すぐに手を下ろした。

「君は、天使?それとも死神?」

少年は、僕から目線を逸らしながら話す。

『悪魔だよ』

僕の答えに、一瞬少年は僕の方へと目を向けたが、またすぐに足元へと視線を落とした。



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