そして僕は恋に墜ちた
2.
「お兄さ~ん!一人で空中散歩?」

声のした方へ、僕は慌てて振り返る。

振り返った先にいたのは、ビルの屋上に立つ、高校生くらいの少女。

色白で華奢な少女が、天使の様な笑顔をこちらに向けている。

『えっ…僕?』

慌てて返した言葉は、何だか間抜けだった。

「当たり前じゃない!他に空中散歩してる人なんている?」

少女はそう言って、にまりと笑った。

『あぁ。そうだね。でも…』

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