そして僕は恋に墜ちた
11.
僕とアリスとの間に、やわらかい空気が流れる。

開け放たれている窓からたまに入る風も、真冬だというのに、暖かく感じる。

心が穏やかだからなのだろうか。
夕方だというのに、目に映るもの全てが、明るく輝いて見えた。

まるで、今までずっと、厚い雲に覆われていた僕の世界に、一筋の光が差し込んだかの様に。


「シロは私に"永遠"をくれようとしてるのね」

『そうだよアリス、僕と一緒に行こうよ』

言いながら、僕はアリスに手を差し出した。

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