そして僕は恋に墜ちた
だが、アリスはきらきらと輝く笑顔のまま、首を横に振る。

差し出した手を、取って貰えると思っていた僕は、アリスの反応に驚いた。


『…どうして?』


…分からない。


アリスは、永遠の美しさなど、欲しくないというのか?

僕と、永遠に一緒にいるのが嫌なのだろうか。

人間なら、誰もがうらやむ、永遠の命を手に入れるチャンスなのに…

それとも、僕の考えがおかしいのか?


「…私ね、思い出したんだ。シロが仕事をする姿を見て、全部思い出した。

忘れてはいけなかったのに。忘れるなんて、どうかしてたんだね」

アリスは、自分自身に、確かめる様に話す。

一体何の話だろう。

僕には、意味が分からなかった。

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