そして僕は恋に墜ちた
「シロにはさ、私はいくつに見えるんだろうね」

ふふっ、と笑いながらアリスは口を開く。

『普通に、高校生だよ』

言いながら、アリスに対して、小さな疑問が生まれた。

ただの、安いホステスが使う様な、決まり文句だとは思えない。


知りたい気もする。

だけど聞きたくない。

決定打となる言葉が、アリスの口から出る前に、いつもの様に心を操って、血の儀式を交わしてしまおうか。


アリスを悪魔にするのは、僕の望み以前に、大悪魔からの命令なのだ。


< 66 / 143 >

この作品をシェア

pagetop