そして僕は恋に墜ちた
『…あのさ』

「うん?」

『その…アリスは悪魔にはなりたくないんだよね?だったら…僕が人間になるってのはどうかな?』


僕は頭の中で、絡まった糸を解くように、アリスに聞きたい事を整理しながら話していた。

それなのに、真っ先に出て来たものは

どうすればアリスと同じスピードで生きて行けるか。

という事だった。


辺りが暗いので、正直なアリスの反応まで分からない。

ただ、その後に続いた沈黙がアリスの答えなんだと思った。

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