そして僕は恋に墜ちた
窓から出る前に、僕はアリスの方を振り返る。


やっぱり電気は付けておくべきだった。

そうすれば、最後にアリスの顔を目に焼き付けておく事が出来たのに。

会えなくなったら、アリスは寂しがってくれるだろうか。

それとも、それすら僕の自惚れなのかな。


僕は、後ろ髪を引かれる思いで、最後の言葉を口にした。


『アリス…ばいばい』

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