そして僕は恋に墜ちた
『ごめん、何でもないよ。アリスが謝る事じゃない』


ぽかんと口を開けるだけのアリスをよそ目に、僕はひとしきり笑うと、アリスにそういった。

「うん…」

小動物のように、小さくうなずくアリスをみていると、また、ふつふつと仲間にしたい衝動が湧き上がる。


(僕は、山の天気より変わりやすい性格をしていたんだな)

そんなことを、頭の片隅で思い自嘲しながら、また別の事も考えていた。

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