そして僕は恋に墜ちた
アリスは僕を、受け入れてくれるだろうか。
悪魔になったと同時に、僕から離れて行ってしまわないだろうか。
あの無邪気な笑顔を、また僕に見せてくれるだろうか。
襲ってくる小さな不安を無視して、僕はアリスから目を逸らし、アリスの右腕に目をやった。
僕が付けた傷は小さい。
けれど、相変わらず赤は広がっていく。
悪魔の付けた傷は、どんなに小さくても、悪魔にしか癒せない。
このまま儀式をせず放って置くと、アリスは体から大量の血を失い、やがては命までも無くすだろう。