先生と教官室
「あ―――っ甲田先生待って下さいよ!!」
「スポーツで待つ奴がいるかっ!!」
…でも何でだろう、心のどこかに穴が空いている感じ。
先生の姿が見れて嬉しいはずなのに。
どこか寂しくもあって…。
「片瀬さん、聞いていますか?授業に集中しなさい。もうすぐテストですよ。」
「…あ、はい。すいません。」
視線を教室へと戻し時計をみると、授業が残り5分になっていた。
私、10分も先生達の事見てたんだ…。
窓から見える先生は小さくて、まるで違う人のよう。
なのに、目は勝手に先生を追ってしまう。
前もこんなに先生の事見ていたのかな。
自覚がなかっただけ?
…そういえば、私はいつから先生の事を好きになったのだろう。
何だか、もうずっとずっと前の事のように感じるな…。
「よーしっ俺の勝ちだなっ!!!」
この前はとても近くに居た先生が、今はこんなにも遠いよ…。