先生と教官室








「待ってくれ。」






「い…や、です。離して下さい。」






涙が溢れて止まらない。







先生には見られたくないのに、何で止まってくれないの?







「伊…片瀬、話し聞いてたんだろ?」






「…………。」







「お前がどう思って聞いてたかは解らない。でも、これだけは信じてくれ。俺と秋山先生は何の関係もない。特別な事なんて何も……」







「し…じない。」







「え?」







「もう…先生の事も、何もかも信じないっ!!」







そう吐き捨てて先生の手を振り払った。






ごめんね先生。






私酷い言い方してる。






でも…今は何も聞きたくない。





聞けないの。





先生の言葉一つが怖くてたまらない。






私ね、先生の気持ちと向き合って強くなろうと思ってた。







でも、やっぱり駄目だったよ。






私弱いままだ。






もう何を信じていいかも解らない。






あんなに優しくしてくれた先生すら信じれないなんて、私最低だよね…。






頭では解っているんだけどな…。






ごめん。




ごめんね、先生…。











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