先生と教官室
そのまま雨は降り続け、雷も大分長い間鳴っていた。
結局、いつ鳴るか解らない雷が怖くて寝れなかったし…。
朝から最悪な気分だ。
それでも学校を休む訳にはいかず、重い身体を引きずりながら下へと降りた。
「あら、伊緒おはよう。」
「…お母さん…帰ってたんだね。」
雷の音に気をとられて帰ってきた事にも気がつかなかったな。
「ええ、もう夕べはずぶ濡れよ。」
「そっか…大雨だったもんね。」
眠くて思考回路がまわらない。
これは授業中に寝てしまいそうだな。
「あ、そうそう。伊緒、私達明日から仕事で出張行ってくるわね。」
は?
「私達…?」
「えぇ。」
「お父さんも?」
「えぇ。」
「い、いつまで?」
「一週間位かしらね。」
よくもまぁ、そんな平然と言えるよね。
一週間なんて2人にとっては短いもんだもんね…。
でも、おいていかれる私の気持ちは?
少しも考えてくれないの?
「ん…解った。いってらっしゃい。」
でも、そんな事は決して言わない。
私はこの家ではいい子を演じないと嫌われちゃうから…。