先生と教官室
「はぁー、無理無理。土間行きたくない。ほんと嫌だ。」
「何で?何かムカつく事でもあったの?」
……まぁ、ムカつく事ではないけど、ある事にはありましたよ、色々。
でも、そんな事言えるわけない。
「んーん、特には。ただ顔合わせたくないだけ。」
「なんだ。じゃぁいくよっ!ちゃんと挨拶しなよ?!解った?!」
「……はい。」
優羽さん、なんかお母さんみたい。
ついつい返事しちゃったし…。
私を少し隠すように歩き出した恵那と優羽。
そして、そのご厚意を受けながら二人に続くように歩く私。
くそぅ、土間ってこんなにも遠かったっけ。
今日はいつもの倍以上の距離を感じるわ。
まぁでも、こんだけ多くの生徒が登校してるわけだし、私一人なんかに気づく事もないか。